研究概要 |
本年度は、より簡便な方法で高品質のスフェロイドアレイ培養機材を調製する為の手法を確立すべく,光リソグラフィによるマイクロパターニングに着目し、細胞非接着性を有する水溶性フォトレジストを用いたダイレクトパターニングの手法、およびフォトレジストをパターニングする基材の表面構造最適化について、材料化学的見地より検討を行った。水溶性を有する光反応基を導入したポリエチレングリコールを合成し、あらかじめ生理活性物質(コラーゲン)を固定化した表面上にマイクロパターンを形成することを試みた。下地コラーゲンの状態及び細胞接着性について、免疫染色等を用いて評価した。 その結果、位相差顕微鏡観察から良好なパターンが作成可能であることが示された。また血管内皮細胞を用いてパターン形成能、細胞接着性について評価したところ、細胞パターン良好に形成されるのはもちろんのこと、コラーゲンを有さないサンプルと比較して細胞の接強度が有意に向上していることが確認された。さらに内皮細胞と肝細胞の共培養を行ったとろ、良好な細胞スフェロイドマイクロアレイが形成可能であることが示された。このスフェイドアレイを光架橋ゲルに非侵襲的にトランスファーすることを目的に、ゲルの重合後の物について詳細な解析を行った結果、スフェロイドを長期間、安定に3次元培養することを達した。
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