研究課題
本研究では、1)拍動圧に感受して脈動し、生体血管と力学的適合する骨格基材(Mechano-Active Scaffold)とその成型加工技術をより高精密化し、2)流血下で他の大量に存在する血液細胞(血小板、白血球)の接着は完全に阻止し、内皮前駆細胞のみを選択的に捕捉し、経時的に内皮細胞への分化、増殖、単層形成化による新しい血管再建技術の設計概念、作動原理を提出し、3)そのプロトタイプ・デバイスを作製し、動物実験で検証し、4)全く困難とされていた小口径人工血管の臨床応用に、極めて高い可能性を与えるシステムを世界で初めて実証することにある。本年度では、動物(ミニブタ)〔短期(1週間)から長期(6ヶ月)〕の移植を行い、前駆細胞の接着の有無、内皮化および抗血栓を移植期間毎に調べ、内腔層設計の手直し改良を行った。内腔層のコーティング操作、光硬化操作は自動装置を新しく考案した。ミニブタの頸動脈(内径3-4mm)にVEGF表面固定化したコンプライアント人工血管を移植し、経時的に摘細胞表層の膜蛋白質Flk-1、Tie-2、CD34、AC133の螢光免疫染色し、前駆細胞および分化した内皮細胞を検出した。走査電子顕微鏡にて血栓形成、血小板の付着等を検出した。VEGF固定した表面の内皮細胞のReat-time PCR法によって分化度の同定を行い、細胞内シグナル伝達機構の持続的活性化が観測された。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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