研究課題/領域番号 |
20300172
|
研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
山岡 哲二 国立循環器病センター(研究所), 生体工学部, 部長 (50243126)
|
研究分担者 |
馬原 淳 国立循環器病センター(研究所), 生体工学部, 室員 (80416221)
村瀬 剛 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50335361)
|
キーワード | スキャホールド / 細胞外マトリックス / ポリ乳酸 / 組織再生 / 再生医工学 |
研究概要 |
ポリ乳酸スキャホールドの強度低下を伴わずに様々な多孔質体成形方法に対応できる新たな修飾方法として、ポリ乳酸に親和性を有するセグメントと結合した組織再生性ペプチド分子を開発した。これを、成形前にポリ乳酸溶液に添加し、急速に成形加工できるエレクトロスピニングやスピンコーティング法により整形することで、簡便かつ効率的に組織再生性表面を有するポリ乳酸性生体吸収性スキャホールドの作成に成功した。[特願2007-238434/2007年9月13日出願済]。神経再生性配列であるIKVAV配列コンジュゲートをポリ乳酸溶液に約1%混合した後に下記の如く多孔質チューブに成形することが可能となった。エレクトロスピニング条件としては、溶媒にヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、13kV印加下で,3mL/hの速度で、ステンレスターゲット上に紡糸した。得られた神経誘導管の、力学強度や微細構造を評価した。ラット(Wister rat、メス、8週齢、180-210g)をネンブタール(50mg/kg)で麻酔し、左肢坐骨神経を10mm長切除後、14mmのガイドチューブに神経末端を2mm挿入して、ガイドチューブと神経末端を縫合した。1週間ごとにtoe pinch測定を行なうとともに、4、8、12週間後、屠殺して組織観察を行った。その結果、IKVAV修飾チューブにおいて、優位な軸索仲張、および、髄鞘の形成が認められ、そのトータル軸索断面積は顕著に回復した。しかしながら、Toe pinch法においては、優位な応答が認められておらず、今後、さらなる長期の観察と、電気生理学的機能性の回復状態を追跡する必要があると考えらられる。
|