研究概要 |
本研究では,局所投与とEPR(Enhanced Permeability and Retention)効果が有効な「膀胱がん」と「肝がん」を遺伝子治療の対象に, 1)長期発現治療用プラスミドDNAを内包する治療・標的ナノバブルを開発し, 2)試作するナノバブル衝撃圧制御装置でこのナノバブルを破壊して, 作成したプラスミドDNAを導入し, 3)抗腫瘍効果を超音波の腫瘍形態とナノバブルの移動軌跡から再構築された腫瘍新生血管の三次元的な構造変化から定量することを目的とする. 本年度は, レンチウイルスベクターを骨格にもつ長期発現性治療用プラスミドDNAの作成をおこない, 長期発現治療用プラスミドDNA(pTNFα)をした. つぎに, 内部に液体とガスを含有し, 腫瘍マーカーに対するリガンドを膜に組み入れた治療用・標的脂質ナノバブルを作成する. EPR効果の定量をおこなうために, 直径が異なる二つのナノバブルを作成する. 各バブルの膜組成と平均直径はDistearoyl-Phosphocholine(DSPC)+Distearoyl Phosphoethanolamine(DSPE)-PEG-OMe(平均直径5O-200mm)およびDistearoyl phosphatidylcholine(PC)-PEG(平均直径400-800nm)を作成した. 本手法の有効性を確認するために, 抗がん剤導入にともなう治療効果を確認した.
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