研究概要 |
異なる二種類の金属ターゲットにMeV重粒子線を交互に繰り返し照射して造影剤の吸収端前後の二種類の波長(エネルギー)を持つ準単色パルスX線を発生する.これを用いた二波長差分法による高コントラスト動画撮影の可能性を調べる.差分により造影剤の像のみを抽出することにより,造影剤濃度と被ばく線量が小さい患者にやさしいX線動画撮影を目指す. 平成20-24年の研究期間中,最初の2年間で本研究に不可欠な重粒子(陽子)線の出力増強,専用ビーム輸送・集束・照射系の構築,及びターゲット回転機構とX線照射装置系の開発・建設を行う.平成22年度には得られた陽子ビームで各種金属ターゲットを照射し,X線強度,スペクトルの測定の後,ファントムを用いて静止画撮影のための最適化調整を行う.平成23年度はターゲットを回転させてパルス毎に異なるエネルギーのX線を発生する試験を行った後,二波長差分法による動画撮影の予備的結果を得る.最終年度には最適条件を確定してシステムの総合的性能評価を行い,研究を総括するとともに,実用化のための課題を提示する.
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