研究概要 |
本研究は,多自由度に屈曲する共焦点顕微鏡プローブにより生体内の微小領域の診断を行う手法を開発するとともに,圧力のみでなく摩擦も検出する多自由度微細鉗子を用いて内視鏡の先で正確に腫瘍の摘出作業を行う操作システムを開発し,脳腫瘍の術中診断・摘出システムの構築を図ることを目的としている. 課題1:共焦点顕微鏡プローブの開発:対物レンズ部分が回転ジョイントと反射鏡で構成される多自由度屈曲対物レンズプローブを製作し,脳腫瘍の蛍光観察に適した波長のレーザを持つ共焦点顕微鏡に取り付けて,生体細胞が観察できることを確認した。これによって,顕微鏡のステージ上以外の場所で観察が行えるようになった。今後脳腫瘍観察へ向けて,プローブ直径の小型化をはかる。 課題2:微細屈曲鉗子操作システムの開発 昨年度製作した操作システムにおいて,術者の操作レバーの操作によって微細鉗子が駆動され,微細鉗子にはたらいた力が操作側に反力としてフィードバックするシステムを構築し,柔軟な物体に接触した微細な力を操作側に返しながら,微細作業を行うことができた。微細鉗子の駆動機構や屈曲機構について,昨年度よりも詳細に検討を行い,設計の改善と製作を行った。 課題3:把持力・摩擦力センサの開発 昨年度製作した微細鉗子の表面につける微細な圧力・摩擦力センサの強度が不足していたため,センサの構造設計をやりなおし,製作した。これによって鉗子の把持力を安定して検出することができるようになった。
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