研究課題
超音波エネルギーのソノポレーション作用を応用した低出力超音波エネルギーを併用して、悪性度が高い腫瘍であるヒト子宮肉腫のヌードマウス移植モデルに対して血管新生阻害療法の併用実験を行った。その結果、薬剤投与単独群に比較して有意な腫瘍増殖抑制効果が認められた。特に、子宮がんや卵巣がん等の固形腫瘍で用いられるCPT-11の活性体であるSN-38において、その効果は有意に高かった。また、治療を受けたマウスに対する有害事象も認めなかった。血管新生阻害剤であるTNP-470との低用量の頻回投与においても、ヒト子宮肉腫の血管新生に対して著明な抑制効果を示し、低出力超音波エネルギー併用において有意な相乗効果が認められ、マウスの生存日数にも延長がみられた。マウスの移植腫瘍の腫瘍内血流も有意に減少した。マウスの低出力超音波エネルギーによる有害事象等もほとんど認めらなかった。In vitroでもHUVEC細胞の増殖を有意に抑制した。抗がん剤を少量且つ頻回に使用するメトロミック療法が期待される現状を鑑み、低出力超音波エネルギーを併用した新たな治療法は有用な治療戦略の一つと成りうると考えられる。これらの研究成果は第82回日本超音波医学会学術総会等で発表を行った。
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Peptide Science
ページ: 127-130
Int J Gynecol Cancer 19
ページ: 1052-1056