研究課題/領域番号 |
20300183
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
LEZHAVA A. 独立行政法人理化学研究所, LSA要素技術開発ユニット, 上級研究員 (40443048)
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研究分担者 |
岡本 晃充 独立行政法人理化学研究所, 岡本独立主幹研究ユニット, ユニットリーダー(独立主幹研究員) (60314233)
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キーワード | SmartAmp法 / エキシトンプライマー / 増幅検出の可視化 / マルチプレックス / 遺伝子増幅 / SNPタイピング |
研究概要 |
昨年度の本研究において、代表者らはSmartAmp法の増幅検出試薬として、分担者が開発した新規蛍光物質(励起波長510nm/発光波長530nm及び630nm/650nm)を導入したが、今年度新たに、530nm/550nm及び570nm/590nmの波長を持つ蛍光物質を開発した。その結果、510nm/530nmのチアゾールオレンジが、最もS/N比が高い(バックグラウンドが低い)ことが確認された。これにより、昨年度に開発したVKORC 1のみならず、その他のワルファリン関連遺伝子であるCYP2C9*2及びCYP2C9*3のSNP検出系、新型インフルエンザウイルスの検出や薬剤耐性の有無、抗がん剤セツキシマブの薬効に関わるKRAS遺伝子コドン12及び13における変異検出などにおいても、チアゾールオレンジで標識したエキシトンプライマーによる導入を行った。またこれらすべての増幅システムにおいて、ゲノム・血液・スワブサンプルなどを用いた増幅検出の可視化が可能であった。 さらに、波長の異なる複数の蛍光物質を用いて、1チューブ内で野生型・変異型両方の遺伝子を同時に増幅することができる、マルチプレックス増幅システムの開発を行った。リアルタイムPCR装置を用いる場合、蛍光波長は510nm/530nmと570nm/590nmの組み合わせが、最も安定した結果を示し、VKORC 1に続いてCYP2C9*2及びCYP2C9*3においても、マルチプレックスに増幅を行うことができた。 また、これまでエキシトンダイでプライマーを標識する場合、チミン(T)部位に限って導入が可能であったが、短いプライマー中にはTを持たないものもあることからシトシン(C)における標識法の開発も行っており、近い将来実用化が見込まれている。
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