研究課題
長期的運動療法が、運動耐容能の向上のみならず、腎保護効果やインスリン抵抗性改善効果を有する可能性が示唆されているが、そのメカニズムや至適条件についてはまだ十分に明らかになっていない。平成22年度は、慢性腎不全モデルにおける長期的運動とN型及びL型カルシムチャネル阻害薬cilnidipineの単独及び併用療法の効果を検討した。WKYラットを手術し、5/6腎摘慢性腎不全モデルを作成した。ラットを以下の5群に分け、12週間治療した。1)非治療(Con)群、2)cilnidipine(3mg/kg/日,Cil)群、3)運動(走行速度20m/分×60分/日×5日/週,Ex)群、4)Cil+Ex群、5)偽手術(Sham)群。2週毎に、収縮期血圧(SBP)、尿蛋白(UP)を測定し、最終日に血清クレアチニン(Scr)、血液尿素窒素(BUN)を測定した。Ex或いはCilの単独治療は、SBP、UP、Scr、BUNを低下させ、インスリン感受性(IS)の増加とともに残存腎の糸球体硬化指数(IGS)、交感神経活性を改善させた。その効果はExとCilの併用により増強した。以上の結果より5/6腎摘慢性腎不全ラットにおいて、ExとCilは降圧、腎保護、インスリン抵抗性改善効果を有することが示された。また、そのメカニズムにExおよびCilによる交感神経活性抑制作用の関与が示唆された。
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