研究課題/領域番号 |
20300186
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河上 敬介 名古屋大学, 医学部・保健学科, 准教授 (60195047)
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研究分担者 |
曽我部 正博 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10093428)
村上 太郎 至学館大学, 健康科学部, 教授 (10252305)
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キーワード | 筋 / 機械刺激 / 熱刺激 / 栄養学 / リハビリテーション |
研究概要 |
これまでの研究で、周期的伸張刺激により筋萎縮の進行を軽減させるためには、Akt/mTOR/p70S6K経路の活性必須であることを明らかにした。また、この経路や筋線維横断面積を指標に、筋萎縮の進行を軽減させるのに必要な刺激の強さや刺激時間を明らかにした。そこで今年度は昨年度に引き続き、伸張刺激を加える頻度、すなわち同じ時間の伸張刺激を、1日1回で加えるか、2回に分けて加えるかについて検討した。具体的には、1日に30分間の伸張刺激を1回加える群と、15分間の刺激を6時間あけて2回に分けて加える群とで比較した。その結果、15分間の伸張刺激を2回に分けて与える群は、30分間与える群に比べて2倍の萎縮軽減効果が認められた。さらに、この効果の違いの裏付けとして、Akt/mTOR/p70S6K経路の活性の違いが関与していることが判明した。以上の結果とこれまでの結果を統合すると、臨床において筋萎縮軽減を目的として与える伸張刺激は、ある刺激強度以上が必要であり、刺激時間をむやみに長くするだけでは効果は得られないこと、もし可能であれば、例えば午前と午後に2回に分けて与えると効果が向上することを示唆することになり、これを推奨するものである。 また、周期的伸張刺激による筋萎縮軽減効果の対する熱刺激の相乗効果を検証するため、前年度の反省点を基に麻酔の種類を変更し、伸張激前に45分間以上ラット直腸温が38℃になるような熱刺激を加え、その後に周期的伸張刺激を行ったところ、現状では十分な萎縮軽減効果の向上は認められず、タイミングや時間の検討が必要であることが判明した。一方、伸張刺激の直前の栄養摂取による萎縮軽減効果向上に関しては、その効果的な時期や時間について絞られつつある。以上の結果を統合すると、効果的・効率的な筋萎縮軽減プログラムの確立が可能となると考える。
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