初年度にあたり、ラット用トレッドミルの設置及び、脊髄損傷モデルにおけるトレッドミル訓練導入のセットアップを行った。また、本研究の中心となる後根神経に対するサンプル採取などの手技検討を行った。 手技検討の過程で損傷後の脊髄から再現性を保ちながら後根神経を採取することが極めて困難であることが明らかとなった。したがって、今後の研究において後根シュワン細胞の細胞内シグナルの同定には主として組織免疫染色による手法が確実であることが明らかとなった。 一方、組織免疫染色の条件設定として、抗p75抗体によるシュワン細胞の同定を行ったが、前述の後根神経採取の手技検討に多くの時間を要したため、脊髄損傷後の時間経過を追ってのp75陽性シュワン細胞の局在同定は行うことが出来ず、次年度の課題となった。 その他、手技的な確認として研究過程において使用が予定されている硬膜下カテーテルによる薬剤投与実験の条件設定を行った。浸透圧によって薬剤を一定のスピードで投与可能とするOsmoticポンプを用い、カテーテルを損傷部より2椎体尾側より挿入することにより、安定したカテーテル設置が可能であることを確認した。
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