研究課題/領域番号 |
20300194
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎌田 実 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 教授 (20224644)
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研究分担者 |
小竹 元基 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10345085)
二瓶 美里 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (20409668)
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キーワード | 運転 / 高齢者 / 自動車 / 移動 / 運転シミュレータ / ドライブレコーダ |
研究概要 |
高齢運転者の増加による事故多発の懸念があり、警察庁では高齢者講習や認知機能検査の導入などの対策を行なっている。しかし、車無しの生活が成り立たない地域もあり、運転断念の時期および断念後の生活設計をどうするかが重大な関心事である。本研究では、先行研究で得られたことをもとに、いくつかの対象地域で、長期間かつ多数のデータ収集及び解析を実施し、加齢や認知障害による運転能力の低下を検討し、運転断念の時期を明らかにし、断念後の生活をどうするかについて検討していく。 平成20年度は、まず、既存システムの課題と改良と称して、運転シミュレータの改造を行い、またデータ収集・解析法の検討を行なった。前者の改造については、被験者の酔いを無くすためにヨー方向の運動を模擬するターンテーブルを運転シミュレータに付加した。また後者については、映像記録システムを後の解析がしやすくなるように新たに組みなおした。次に、データ解析手法および特性等の定量化手法の検討と称して、映像データの解析法および特性の簡易検査をPCで行なうシステムの改良を行なった。これにより、簡易PCシミュレータによる特性評価は、定量化がしやすくなった。 次の項目としてはデータの収集と評価で、群馬県みどり市、福井県福井市、千葉県柏市の自治体や自動車教習所の協力により、教習車にドライブレコーダを取り付け、高齢者講習におけるデータ収集を継続的に行なっている。また、運転シミュレータを現地に持ち込んでの実験は、千葉県柏市で約20名の高齢者を集めて実施した。簡易PCシミュレータについては群馬県草津町の健康診断に持ち込み、約100名のデータを収集した。 もう一つの項目としては、運転断念後の生活基盤の予備的検討と称して、福井県の複数の地域で、大規模アンケートを実施した。これは2年目に実施予定であったが、前記の運転シミュレータの改良の一部が遅れて21年度に繰り越してなされたため、前倒しで実施したものである。約1500名のデータを回収して、解析を行なっている。
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