パラメーター記憶機能を付加された新しい小型携帯型の筋電比例式機能的電気刺激装置(パワーアシストタイプ)を、イクシスリサーチ社に開発、製作を契約書をかわし依頼した。プロトタイプの製作からイクシスリサーチ社と意見交換を行い、かなり大きめの試作器をまず作製し、動作確認を健常者と、脳卒中患者4名に行い、パラメーターの設定範囲(筋電感度と電気刺激強度)を決定した。得られたパラメーターの設定条件をもとに筋電比例式機能的電気刺激装置の基盤の小型化に取り組み、本年度終盤には大きさ4×7cm、厚さ1cmの小型携帯型基盤が完成した。次に、前腕部にフィッティングのよいアーマー(レオタードの素材で作製)のデザインを考案し、小型携帯型基盤と表面電極を装着できるように作製した。特にアーマーの内側にはメッシュ素材の布を装着し、reusableな表面電極の固定位置を変えられるようにしてある。拇指球部分と肘関節周囲をメルクマールとして、アーマーが常に一定の位置に装着され、表面電極が常に一定の位置に固定されて、標的筋肉のモーターポイントに接触するように作製されている。電気刺激装置のチャンネル1は、同一の電極で筋電信号記録と電気刺激を兼用するチャンネルである。記録電極は1チャンネルであるが、電気刺激は2チャンネル以上の同時刺激が可能となるように設定する。筋電信号記録はノイズや電気刺激自体の影響を受けず、筋肉からの筋電信号のみをピックアップできるように回路が設定され、筋電信号をピックアップする感度と電気刺激強度は自由に可変設定可能である。健常人3例で新型機能的電気刺激装置スプリントの安全性、動作機能の確認を行った。
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