研究課題/領域番号 |
20300200
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
渡辺 哲也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10342958)
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研究分担者 |
大内 進 国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 上席総括研究員 (40321591)
宮城 愛美 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (60447258)
南谷 和範 大学入試センター, 入学者選抜共同研究機構, 特任准教授 (90551474)
山口 俊光 新潟大学, 自然科学系, 特任助手 (40554283)
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キーワード | 視覚障害者 / 触地図 / 触知覚 / 立体コピー / 点図 / GIS / 触図ガイドライン |
研究概要 |
視覚障害者にも利用可能な触地図自動作成システムを開発し、その改良と利用促進を継続している。平成23年度には、このシステムに関して下のように研究を展開した。 1.触地図の触りやすさ検証実験:触地図から触知記号や経路を探索する時間を求め、記号の弁別しやすさを検証する触知実験を行った。その結果、地図のブロック分けが触知記号の探索を促進することと、現状の2種類の面記号が弁別しづらいことが明らかになった。 2.歩行実験のプロトコル分析:歩行実験の発言記録とビデオ記録を照合することで、視覚障害者が検出しやすい目標物(香りを出す店舗)や交差点の判定を誤る原因(交通量の少なさほか)を特定した。 3.経路に絞った触地図の簡略化:経路の探索にかかる時間を短縮するため、経路とその周囲に絞った触地図簡略表示機能を開発した。 4.点図触地図出力機能のWebアプリケーション化:触地図サーバプログラムを改良し、点図触地図出力機能をWeb画面から利用可能とした。 5.作成・送付サービス:立体コピー機や点字プリンタをお持ちでない方向けに、希望する触地図を作成し、送付するサービスの運用を始めた。 6.報告会・展示会における成果普及:研究成果報告会、各種機器展示会、学会のポスター展示において、触地図自動作成システムをデモンストレーション展示し、のべ数百名以上に機器を紹介した。 1によって触知しやすさについて、2によって視覚障害者の環境認知について学術的に新しい知見を明らかにした。3と4により、運用中の触地図自動作成システムの改良という実用的な進展を遂げた。5と6によって、研究成果を社会へ周知する方策を積極的に実施している。このように、学術的知見を積み上げるとともに、実用的な開発も行い、その成果普及も進めるという社会的責任も果たしている。
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