研究分担者 |
衣笠 隆 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40110481)
木塚 朝博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30323281)
本谷 聡 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (90344879)
檜皮 貴子 東京芸術大学, 美術学部, 助教 (50463948)
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研究概要 |
研究の目的は、多様な外乱因子を含めた動的なバランス運動「遊び」に関するプログラムを体系的に開発し,高齢者がアクティブなライフスタイルを確立することによる動的バランス能力や不安定な環境時の身体動作の改善等に関する効果を検証することであった。 転倒予防教室における指導実践と指導記録について20年度に収集した転倒予防に関する運動プログラムを検討した上で,「遊び」感覚で開発されたプログラムを実践指導し,その効果について実験的に測定し,その効果を検証した。高齢女性26名を対象に各種体力測定を実施した結果、動的なバランス能力に改善が認められた。また、動的バランス能力の改善は筋力の向上に関連しないことが示唆された。また、JPクッションによるその場歩きへの影響について同様の高齢者を対象としてJPの有無を条件にその場足踏みについて考察した結果、シンプルな条件課題においても動作や感じ方に個人差のある傾向が明らかになった。JPクッションの特性は、反発力の生み出すアクティビティと不安定性から生じる揺れである。この2面性を活かすためには、丁寧な運動観察やコミュニケーションを通じて、高齢者の側に立った視点で進めていく指導の必要性が認められた。つまり、こうした個人差の多い高齢者における運動教室おいてこそ、金子のいう「住み込み能力」に基づく「代行達成能力」を高めることが指導者として重要であることが確認された。指導プログラムはすべて映像として記録し、現在インターネット上でストリーミング再生できるシステムをほぼ完成できた。
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