研究課題/領域番号 |
20300205
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研究機関 | 国際武道大学 |
研究代表者 |
鈴木 和弘 国際武道大学, 体育学部, 教授 (20327183)
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研究分担者 |
西嶋 尚彦 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (50202239)
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キーワード | 体力テスト / 体力向上プログラム / 学校教育活動 / ライフスタイル / 縦断的データ / 分散分析 / 歩数変化 |
研究概要 |
本研究の目的は平成20〜22年の3年間にわたり、児童生徒を対象としてライフスタイルの改善及び体力向上を図るためのプログラムを学校教育活動全体に適用し、その効果を検証していくことであった。本年度は、本研究の目的を理解し、協力を得た小中学校を中心に、基礎的なデータの収集を行った。収集したデータセットは以下の内容であった。 1.体格(身長、体重)2.新体力テスト3.運動習慣、ライフスタイル調査(16項目)4.中学生の健康・生活実態調査(59項目)5.児童生徒の日常歩数量(起床から就寝まで装着)以上のデータセットに加え、各協力校における学校教育計画および年間指導計画、保健体育授業計画などの資料なども収集した。さらに、平成14年度以降、継続的に体力向上に取り組んでいる小・中学校(7校)の縦断的な体力テストデータを収集した。特に、本研究の意義や趣旨を理解している中学校5校については、体力テストのデータに加え、学業成績データの収集も行った。対象となった児童生徒は、小学校1年生から中学校3年生までの男女、約3000名であった。この研究では第一段階として、児童生徒の生活や活動意欲、学習意欲、体力等を正確に捕捉し、その実態を明らかにすることであった。次の変数項目間の関係性を検討することであった。第二段階として、当該校に相応しい体力向上および生活改善のためのプログラムを構築し、学校教育活動全体を通してその効果の検証を試みる。単なるデータ収集に止まらず、その結果を活かした研究を推進することが本研究の特色である。データ収集は、平成21年度も継続して実施する予定である。平成20年度の研究で得たおもな成果は次の通りであった。 1.小学校1〜6年男女、約240名を対象に実施した歩数量と体力測定の結果、日常の歩数量が多い児童ほど体力は高値であった。 2.学校教育活動全体を通して、継続的に体力向上に取り組んだ中学校男女約160名の体力テストを3年間縦断的に追跡した結果、学年男女を問わず、体力は顕著な向上を示すとともに、体力下位群の生徒が減少した。尚、対象校では、保健体育の授業と総合的な学習の時間をセットにして、学校全体で6年間にわたって取り組んできた。 3.中学生男女約1500名を対象にした健康・生活実態調査結果から、就寝時刻と主観的健康状態には、明確な関係が認められた。 即ち、就寝時刻が23時30分以降の生徒は、体調不良感を訴える割合が高く、その一方、23時30分前に就侵している生徒の体調不良感を訴える生徒は少なかった。統計的にも有意な差が認められた。
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