研究課題
本研究の目的は、教育者でありかつ国際オリンピック委員であった嘉納治五郎(1860-1938)の体育思想が、海外において如何なる評価を受け、また実際にどのような影響を及ぼしたのかについて明らかにすることにある。本年度も前年度に続き、嘉納が創って世界に広めた講道館柔道について、研究分担者らの協力を得ながらヨーロッパ・スイスおよびアメリカ・ハワイ州において調査活動を行った。スイスでは、研究分担者の和田浩一が2009年度から引き続きオリンピック博物館において資料発掘に当たり、ハワイ州では研究代表の永木が嘉納の当地柔道に及ぼした影響について調査を行った。以上で3カ年に及ぶ調査に一区切りを付け、これまでの成果のまとめとして、本プロジェクトのメンバーである永木、真田、和田、および海外研究協力者・A.Niehaus (Prof.of Universiteit Gent)の4名が『気概と行動の教育者・嘉納治五郎』と題する出版物(筑波大学出版会)において分担執筆した(2011年5月出版予定)。また、2011年6月12日に東京国際フォーラムにおいて開催された「嘉納治五郎生誕150周年記念国際シンポジウム」において、研究分担者の真田が「嘉納治五郎の国際交流と中国人留学生教育」について研究成果の一部を発表した。また、2011年2月28日に筑波大学において開催されたBAMIS国際フォーラムにおいて、研究分担者・寒川は「嘉納治五郎の柔道にみる身心問題」と題して新たな解釈を発表し、研究代表者・永木は「嘉納治五郎による柔道の国際化」と題してこれまでの研究成果の一部を発表した。
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講道館柔道科学研究会紀要
巻: 13 ページ: 27-40
現代スポーツ評論
巻: 23 ページ: 101-108
巻: 23 ページ: 49-60
巻: 23 ページ: 62-71