休息を挟みながら行う有酸素運動の長期のトレーニング効果を検討した。被験者として、成人男性24名を、(1)休息を挟まずに連続して運動を行う(連続法)群、(2)休息を挟みながら間欠的に運動を行う(分割法)群、(3)トレーニングを行わない群(コントロール群)に分類した。連続法群は30分間連続のペダリング運動(最大酸素摂取量の60%に相当する強度でのペダリング運動)を、分割法群は10分間の運動を10分間の休息を挟んで3回繰り返すペダリング運動を、それぞれ週3回の頻度で8週間継続した。トレーニング期間前後に、最大酸素摂取量、体組成(二重エネルギーX線吸収測定法)、耐糖能(経口ブドウ糖負荷試験)などを測定した。 その結果、連続法群と分割法群では、トレーニング期間前後に体幹(連続法;-3.5±1.6%、分割法;-10.1±3.0%)および全身の脂肪量がいずれも減少したが、これらの変化率に両群間で有意差は認められなかった。一方、全身の体脂肪率は、連続法群と分割法群ではトレーニング期間後に低下したが、分割法群のみ有意差が認められた(P<0.05)。同様に、体重あたりの最大酸素摂取量は、連続法群、分割法群ともにトレーニング期間後に増加したが、分割法のみ有意差(P<0.05)が認められた。ブドウ糖摂取後のグルコースおよびインスリンの血中濃度曲線下面積の変化率に、連続法群と分割法群の間に有意差はみられなかった。 これらの結果は、健康な若年男性において、有酸素運動の途中に休息を挟んだ方法(分割法)であっても、休息を挟まずに運動を持続する方法(連続法)と同様のトレーニング効果が得られることを示すものである。また、体組成の改善や全身持久力の改善に関しては、分割法による運動ではより一層の効果の得られる可能性を示すものである。
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