本研究では、野球の打撃動作において打球の軌跡を最適化し、飛距離を伸ばすためのメカニズムを紐解くためのステップとして、ボールインパクトの詳細を実測法及び数値シミュレーション法を用いて分析した。主な結果として、(1)打球の飛距離を伸ばすためには、大きなローリング速度を持たせたバットを、アッパースイング気味の軌道でスイングすることにより、投球されたボールに対して正面衝突させるように打撃をおこなうことが重要なこと、及び(2)ローリング速度の増加は、同一飛距離の打球を放つ際に、より回転速度の高い打球を、より低い弾道で放つことができることが明らかになった。
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