研究概要 |
平成20年度における本研究の主な目的は,亜熱帯島嶼地域(沖縄県)の子どもの身体活動量(歩数,運動量,総消費量)について加速度計を用いることによって実態把握を行い,べースラインデータを収集すると同時に,発達段階の差異及び季節間の身体活動量の比較を行うことであった。調査対象は,平成20年度は沖縄県本島に在住する小学校5年生(男子70名女子91名計161名)であり,調査時期に関して,夏季調査は平成20年7月中旬〜7月下旬に行い,冬季調査は平成21年1月中旬〜1月下旬に実施した。身体活動量(歩数,運動量,総消費量)を測定するため,生活習慣記録機(スズケン社製Lifecorder Plus)を起床直後から就寝直前まで,10日間にわたって(平日5日間及び休日4日間)可能な限り対象児童に装着させた。男子の夏季調査においては,平日で総消費量が平均値で1885.5kcal(SD:251.68)であったのに対し,冬季調査では,2034.8kca1(SD:524.15)であった。同様に運動量においては,夏季が平均303.5kca1(SD:103.43)に対し,冬季は,平均387.2kcal(SD:310.23)であった。繰り返しのあるt検定の結果,総消費量及び運動量とも冬季の方が0.1%水準で統計的に有意に大きかった。これらと同様,活動時間においても冬季が夏季を凌駕していた。この傾向は休日に関しても運動量を除いて同様であった。しかし運動強度に関しては,平日,休日とも微小運動(1mets未満),低強度(1mets以上3mets以下),中強度(4mets以上6mets以下)では,時季間において統計的に有意な差が見られなかったものの,高強度に関しては平日で有意な差が認められなかったものの,休日では冬季(25.5分)が夏季(19.9分)に比べて5%水準で有意に大きい値であった。
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