研究概要 |
睡眠は一日の疲れを癒すために重要であり、最近の不眠を訴える人の上昇とともに注目されている。それに伴い様々な寝具や睡眠グッズが開発されているが、それらの睡眠への影響や、その妥当性に関する科学的検証はほとんどない。また睡眠に関する研究では体動回数などを検討しているが、多くが脳波や皮膚温センサーなど、複数の電極を装着して行っており、寝返りなどの姿勢変換を制限状態でおこなっており、的確なデータではない。 そこで、寝姿勢や寝具に注目して、2種類の実験を行った。 1)終夜睡眠による体動回数、寝姿勢の実測実験 <目的>姿勢変換の妨げとなりうるセンサー類を極力排除し、非侵襲状態で終夜睡眠実験を行い、寝姿勢や1夜でのその割合や持続時間、体動等について検討した。<方法>人工気候室のベッドで青年男女計35名に3夜連続で8時間睡眠を取らせた。このうち1夜目を順応夜とし2,3夜をデータとして解析した。寝姿勢は赤外線カメラを用いて1分間隔で8時間撮影し、この480分/1夜のデータから体動回数と5種類の寝姿勢の分類を行った。<結果>(1)寝姿勢・体動回数は個人差が大きいが、個人では順応やを含め3回の実験で同様の傾向が認められた。(2)寝姿勢は男女とも仰臥、右側臥、左側臥、伏臥の順に多く、1夜の割合は仰臥が50%程度となった。静止持続時間は仰臥がもっとも長かった。(3)2夜の平均で女性では寝返り16回、男性59回、細体動回数は女性158回、男性85回で、男性は体動は多いが、細体動が少ない傾向にあった 2)寝姿勢による体圧分布に関する実験 <目的>昼間に代表的な4姿勢での体圧分布を計測した。<方法>昼間に同じベッドで体圧計測シート (FSA4)を敷き主要4姿勢をとりリラックス状態で、体圧分布を計測した<結果>体圧分布は、左右の側臥で腰部と肩部に体圧が集中し、伏臥でもっとも体圧分散していた。
|