食品を口に含んで咀嚼している際に口腔から鼻控へと抜ける香気「咀嚼香」の発生に影響を及ぼす因子を把握することを目的として実験を行い、以下の結果を得た。 1.ヒトパネル実験 初年度の本年度は、試料にゼリー食品および畜肉食品を用いて、学生パネルの咀嚼特性の把握(咀嚼力、咀嚼頻度、唾液分泌量、呼気流速)を行った。その結果、呼気息流速が800mL/minを示すパネリストもおり、これは、従来報告されていた平均値100mL/minからはかなりずれていた。 2.咀嚼モデル装置 上記結果より、パネル実験と並行してデータ採取することを目的として開発した口腔咀嚼モデル装置の仕様を変更し、息流速の上限を1000mL/minとした。 3.食品試料の全香気把握 食品試料中に含まれる香気成分把握のために行った全香気抽出法(solvent assisted flavor evaporation法)により、日本国内に流通している牛肉において、和牛肉(米沢牛・常陸牛・もとぶ牛)、交雑牛肉・乳牛肉の香気成分の相違を把握するに至った。
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