研究課題
基盤研究(B)
人が食品を食べる時に"おいしい"と判断する際の重要な要因となっている「咀嚼香」(一般に「鼻に抜けるにおい」といわれるもの)に影響を及ぼす咀嚼特性を検討することを目的とした。通常食べている時と同じように人に食品を咀嚼してもらい、そのときの咀嚼動作をいろいろ測定した(咀嚼力、咀嚼頻度、咀嚼時間、唾液の分泌量、呼吸の量)。その結果、食品の種類、検査する人によって、これらの値が大きく異なることが分かった。しかしながら、人パネルの実験だと、咀嚼力が大きく、咀嚼頻度が高く、咀嚼時間が長く、唾液分泌量と呼吸量が大きい人や、逆に咀嚼力が小さく、咀嚼頻度が低く、咀嚼時間が短く、唾液分泌量と呼吸量が小さい人、というように、偏った特性のパネリストのみからしかデータ採取が出来ない場合が考えられる。そこで、上記咀嚼特性動作を様々な条件で組み合わせることで、咀嚼を再現できる"口腔咀嚼モデル装置"をつかって、様々な咀嚼条件下で食品を模擬咀嚼し、模擬咀嚼香を発生させる実験も行った。その結果、咀嚼中の呼気量が多く、咀嚼頻度が高いと咀嚼香発生量が大きくなることが認められた。
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