研究課題/領域番号 |
20300242
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
的場 輝佳 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (10027196)
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研究分担者 |
高村 仁知 奈良女子大学, 生活環境学部, 准教授 (70202158)
山口 智子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70324960)
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キーワード | インドネシア / 植物性食素材 / 機能性 / 嗜好性 / 調理 / 抗酸化成分 |
研究概要 |
本研究課題では、植物資源の宝庫であるインドネシアにおいて、現地で利用されているが広く流通していない植物性食素材の機能性を活かし、日本人の食生活に受け入れられる新規食品および調味料を開発するとともに、その調理法を提言することを目的として研究を行った。 平成22年度は、インドネシアの植物性食素材のうち、グネツム科グネモン(Gnetum gnemon L.)の果実melinjoおよびイイギリ科パンギノキ(Pangium edule Reinw.)の実を発酵させたkluwakに着目し、その機能性および嗜好性を活かした食品および調理への応用を検討した。 melinjoについて、現地で最もよく用いられる胚乳のほか、種皮の利用を試みた。その結果、胚乳を用いることで、スープなど液体食品の抗酸化性を高めることができた。また、呈味効果についても検討したところ、melinjoを用いた方がやや好まれるものの、有意な差が得られなかった。なお、melinjoは単独では苦味を有することから、苦味を感じさせないような調理法を工夫する必要があると考えられる。これに対し、種皮では、胚乳と比べて抗酸化性は低いものの、油脂に加えた場合、抗酸化性を高める傾向が見られた。従って、今後、油脂食品への応用が期待される。 kluwakについて、種子を完全に発酵させたものを用いることで、スープなど液体食品の抗酸化性を高めることができた。しかし、呈味効果については、明らかな味の違いは感じられたものの、嗜好性に関しては好ましい結果が得られなかった。 以上の結果から、melinjoに関しては、さらに研究を進めることで、日本人の食生活に受け入れられる可能性が示唆されたほか、機能性に関しても期待できる。しかし、kluwakに関しては日本人の食生活に受け入れるにはやや難があると考えられる。
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