研究課題
食品素材・添加物としての利用が期待されるPQQや各種植物による遺伝子発現の変化を、細胞の増殖時等に変化する遺伝子発現のパターンと比較検討し、機能性食品としての新しい機能や安全性を評価することと、新規の機能性成分を持った食品素材を探索することとを目的とした。DNAマイクロアレイによりヒト全遺伝子の発現を解析し、エルダー抽出物で3倍または3分の1以下に発現変化した遺伝子はそれぞれ252個、60個、かまぼこではそれぞれ127個、31個、こんぶでは73個、378個あった。パスウェイ解析を行ったところカマボコではグルタミン酸受容体などのパスウェイが活性化されていた。PQQを神経細胞に添加したところ、神経細胞突起伸長作用があることが示唆されたので、DNAマイクロアレイによる分析を行ったところ、神経細胞特有の遺伝子の発言に変化が見られた。さらに神経突起伸長作用のある食品素材を探索し所、ハーブの一種や、アガリスク、ロイヤルゼーリーにその可能性が見出されたので、神経細胞関連遺伝子の発現を分析した。一方痴呆に効くとされている漢方薬オンジには効果が認められなかった。ベトナムで日常的に食されたり飲まれている食品素材の検討を行ったところ、Voiと呼ばれるフトモモ科の植物の花の芽に抗糖尿病作用があることが解り、膵臓β細胞保護作用などを認めた。この抽出液の効果をマイクロアレイで分析したところ膵臓β細胞再生にかかわる遺伝子の発現などが上昇していた。そこでβ細胞由来の培養細胞を用いてVoiによるインシュリン合成にかかわる遺伝子発現への影響を調べた。
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