本研究では、中学校の生徒を中心とし、小学校高学年の児童までを視野に入れて、かれらの算数・数学の学びに焦点を当て、発達段階や学習内容の適時性などに配慮しつつ、数学的活動が学校数学において一層意味を持つようするため、数学的活動をかれら自ら展開できるようにするため、数学的活動を組織化しそれを促すための基本枠組みを理論的に構成し、それに基づき教材パッケージ「数理探究」を開発するとともに、その学習指導と評価の在り方についても検討し、授業実践を通して検証しつつ典型的な事例を提案することを目的とする。 平成21年度は平成20年度の基礎作業を整理し、それを踏まえて、数学的(算数的)活動を組織化し促すための基本枠組みを構成し、それに基づいて教材パッケージ「数理探究」の開発についての基本的な考え方、とりわけ、問題場面や状況の設定、内容等の選択などについての考え方を整理し、それに基づき一定の指標を設定する。具体的には、次の通り。 (ア)上述アを受けて、中国の現地調査を通して、いくつかの授業を観察し関係者との情報交換を通して、背景にある教材論や授業論を明らかにすることができた。なお、平成21年度の事視する予定であった米国の実地調査は平成23年度に行うこととした。 (イ)上述イを受けて、中等学校用教科書「数学第一類、第二類」及び国民学校高等科用教科書「高等科算数一、二」(試案)における教育内容の構成原理を明らかにする。 (ウ)上述ウを受けて、生活単元による教育で使用された教科書について、「生活」とのかかわりをどのように構想していたかを明らかにする。 (エ)(ア)~(ウ)を踏まえて、教材パッケージ「数理探究」作成の枠組みの理論的構成を行う。
|