研究概要 |
今年度は,研究初年度として実施計画に基づき,次のような活動を行った. 1.2回の分担者会議を開催し,研究計画およびそこへの協力者を選んだ.新年度から,これらの協力者を加えた活動を開始する.また数学教師教育の現状について予備的な意見交換を行った. 2.浪川,清水はメキシコで行われた数学教育世界会議に出席し,清水は授業研究国際比較,浪川は教員の数学知識についての分科会に参加して,研究発表・意見交換を行った.特にH. Bass, D. Ball等この分野での国際的研究者との交流は現在の研究の方向性を知るのに役立った. 3.浪川,清水は数学リテラシーについての研究を深め,日本科学教育学会で科学リテラシーの課題研究に参加し,あるいは数学教育の会,教員研修会で講演するなどの活動を行った. 4.黒木は,日本数学会教育委員長として活動し,特にその一環として共同研究「数学教師に必要な数学能力に関する研究」(代表者:蟹江幸博)を京都大学数理解析研究所で主催者の一人として行った.浪川もこれに参加した. 5.浪川は教師の持つべき数学リテラシーについての予備的考察を開始して論文にまとめた.この中で20世紀以降の現代数学研究が数学リテラシーに及ぼす影響と,その教師教育への応用を論じた. 6.黒木は,数学教員の持つ数学リテラシーに関する意識についての予備調査を行った. 7.三宅,浪川は,名古屋大学で名古屋教育セミナーを5回開催し,理論的・実践的立場からの研究を行うとともに,現場の教員との意見交換の場を持った.これに黒木,清水も講演者として参加した.
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