研究概要 |
本研究は算数・数学教育に関わる教員が持つべき数学リテラシー像を策定すること、およびその根拠に立った数学教員養成・現職数学教員研修カリキュラムを、教員養成数学カリキュラムの調査結果を踏まえつつ具体化することを目的としている。 本年度はその2年目として,計画に基づき,次のような活動を行った。 1. リテラシー像の策定…南九州大学・京都大学数理解析研究所等での会合により,諸外国で進められている「教員に求められる数学知識」の研究について認識を深めた。またこの具体像策定はむしろ具体的カリキュラム構築と並行して行うべきことが分かってきたため,具体像の提示は次年度に持ち越した。 2. 教員養成系大学・学部のカリキュラム調査…日本数学会教員養成系懇談会を中心に同目的の調査が行われていることが判明し,これと合同で研究を進めることとして,特に報告出版での財政的援助を行った。年度内に調査が終了せず,研究費の一部を平成22年度に繰り越した。 3. 上述の懇談会による共同研究でカリキュラムモデル構築も行おうとしていたことから,これについても合同で研究を進めた。また代表者の所属する椙山女学園大学教育学部でも本研究の成果を踏まえる形で数学教育カリキュラムの改革を行うべく計画を立案した。 4. 諸外国で進められている研究について文献を蒐集した。 5. 名古屋大学で数学教育セミナーを計6回開催し,情報交換を行うとともに,高等学校教員等現場の意見を聴取した。 6. 単独の研究集会開催が教員の多忙もあって困難であることから,すでに歴史を持つ公開研究集会「数学教育の会」で研究テーマの一つとして数学教員養成を取り上げ,その中で研究成果の公開,一般からの意見聴取を行うこととして,この会に財政的援助を行った。
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