研究概要 |
本年度は(1)自然環境教育の開発や研究を行い,その成果を日本環境教育学会,日本化学教育学会で発表した。また,(2)国内の連携学校教員との研究協議をふまえ,インドネシアの国立マラン大学とマラン市内の小学校,中学校,高校との環境教育ネットワークを利用して日本から10名の教員や学生がインドネシアマラン市内で自然環境教育に関する授業実践を通した共同研究や日本の学校との連携を協議した。(3)同様にガーナにおいてアクラ教育大学,バガバガ教育大学で共同研究の打ち合わせと授業実践,また高校での授業実践を日本から教員・学生を7名連れて行って行った。(4)またカンボジア国立教育大学との共同研究も行い,授業実践を行った。科研費はほとんどが旅費として使った。これは連携のためのネットワークをしっかり作ること並びに自然環境教育教材のアジア・アフリカの学校での有用性の検証のためであり,得られた結果は我々が学校の連携可能な自然環境教育教材と考えている教材群がインドネシア,ガーナ,カンボジアの小学生,中学生,高校生,大学生に対して大変有効であるというものであった。 合成洗剤の有機溶媒を用いない定量法(ポリエチレンの袋をメチレンブルーと洗剤による無電荷錯体の吸着剤として用いる),水草による環境中の生活排水の浄化(大アカウキクサなどを用いてアンモニア,リン酸イオンの吸収を観測した),土壌中の微生物量の定量法(デンプンを含む餃子の皮や春巻きの皮を用いて微生物によるデンプン量の減少を微生物量と見なす方法),土壌中の腐植量の定量法,汚水の塩素殺菌と残留塩素量の定量,柑橘類のリモネンを利用したリサイクル,二酸化窒素の新しい測定方法の提案,イオン液体を用いたグリーンケミストリ,などの新しい環境教育教材を開発した。 日本の学校での実践,アジアアフリカの学校での実践とお互いに結果の共有をすることができた。これまでの学校の連携を核にさらにネットワークを拡大させ,充実させていく目途が立った。
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