研究概要 |
21年度は(1) 自然環境教育教材の開発や研究を行い,その成果を日本環境教育学会,日本理科教育学会,日本科学教育学会で発表した。また,(2) 前年度に引き続き,国内の連携学校教員との研究協議をふまえ,インドネシアの国立マラン大学とマラン市内の小学校,中学校,高校との環境教育ネットワークを利用して日本から10名の教員や学生がインドネシアマラン市内で自然環境教育に関する授業実践を通した共同研究や日本の学校との連携を協議した。(3) 同様にガーナにおいてアクラ教育大学,バガバガ教育大学で共同研究の打ち合わせと授業実践を行った。(4) またカンボジア国立教育大学との共同研究も行い,授業実践を行った。科研費はほとんどが旅費として使った。これは連携のためのネットワークをしっかり作ること並びに自然環境教育教材のアジア・アフリカの学校での有用性の検証のためであり,得られた結果は我々が学校の連携可能な自然環境教育教材と考えている教材群がインドネシア,ガーナ,カンボジアの小学生,中学生,高校生,大学生に対して大変有効であるというものであった。より深まりのある連携を日本の学校とアジア・アフリカの学校間で行うことができた。 新規に開発した環境教育教材としては,海洋微生物により海水中の汚染物質の除去,先見水や卵白水溶液などの身近なコロイド溶液の性質を安価なレーザーポインターで調べる活動,リモネンをミカンの果皮から水蒸気蒸留する活動,ラジオを電気伝導度計の替わりに使うもの,インドネシアの焼き畑についての教材化,水草による環境中の生活排水の浄化(大アカウキクサなどを用いてアンモニア,リン酸イオンの吸収を観測した),乾電池のつなぎ方や電気の働き,水とアルコールの混合による体積変化と反応熱,ペットボトルを用いた燃焼の仕組みの探究などの新しい環境教育教材を開発した。 日本の学校での実践アジアアフリカの学校での実践とお互いに結果の共有をすることができた。これまでの学校の連携を核にさらにネットワークを拡大させ,人的交流にも深まりが見られ,ネットワークの質的な深化がみられた。
|