研究課題/領域番号 |
20300258
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池田 秀雄 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50112165)
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研究分担者 |
馬場 卓也 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (00335720)
清水 欽也 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (70325132)
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キーワード | 理数科教員養成 / カリキュラム開発 / 開発途上国 / フィリピン / バングラデシュ / カンボジア / ケニア / ガーナ |
研究概要 |
本年度は、フィリピン、バングラデシュ、カンボジアにおいて教員研修の実施に関するカリキュラム実施と、その効果に関する評価、生徒の学力に関する基礎調査を実施した。合わせて、ケニア、マラウィ、ガーナの生徒の実態調査を開始した。 フィリピンにおいて、初等学校理科の学力と教授言語(セブアノ語、フィリピノ語、英語)との関係を調査した。3つの小学校を選定し、さらに能力別クラスに対して異なる言語によるテストおよびアンケート調査を実施した。その結果、低学力の生徒に対しては地方言語による授業が高い効果を示す事が明らかとなった。このことから、初等理科教育にあたって、まず地方言語による支援が必要であり、教員研修プログラムを改善する新たな視点が得られた。 バングラデシュにおいては、教員研修を受けた後の教員の変容を調査した。教授内容に関して大きな改善がみられる一方、教授方法についてはあまり改善が見られず、特に生徒の思考を促す点での理解は進まず、教授法に関する研修を強化する必要が示唆された。 カンボジアにおける教員研修の効果に関する調査を実施した.その結果、JICAで実施した教員研修の内容、特に実験方法、観察方法等は、教員養成校を通して教育現場の教師に対して一定の効果を及ぼしていることが明らかになった。しかし、バングラデシュと同様に生徒の思考を促す点での改善において問題があった。 ガーナの中等学校の理科授業をビデオ記録し、教師の発問および生徒の応答を分析した。教師の発問の90%以上はただ単に生徒の知識・記憶を確認するいわゆるYes-No Questionであり、生徒の思考を促す教師側からの発問はほとんど観察されなかった。この点を教員研修の内容として強化する必要性が明らかになった。 ケニア、マラウィについて現地調査を実施してデータを分析中であり、22年度に結果を取りまとめる予定である。 フィリピン、ガーナの研究成果の一部を学会発表した。
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