研究課題
本年度は、1.諸外国の調査研究、2.教員養成教育における科学的教養、3.国際共同研究、として以下の研究を実施した。イギリスの教員養成教育について、現地調査を行い具体的なシラバスを分析した。その結果、近年の学士課程卒業後教員養成課程は、そのカリキュラムが国の独立機関が示した基準に準拠していること、大学院修士課程との単位互換が可能とされていること、などが明らかとなった。また、アメリカでの教員養成教育に関する現地調査を行い、関係者に面接調査を実施した。その結果、教員養成教育も含め教育の質的向上にとって近年、教職開発学校の役割がより重要となっていることが明らかとなった。さらに、昨年度収集したフランスの教員採用試験問題の分析から、フランスの教員には、学習教導要領を理解し、教えるために必要とされる教科内容の知識を有していること、知識を総合化して考える能力、教えるテーマを分析し授業を構想する能力、プレゼンテーション能力などが必要とされていること、などが明らかとなった。科学的リテラシーと教員意識に関して、教員養成教育段階の学生を対象にアンケート調査を実施した(現在、分析中)。また、日本の教師文化の一つである授業研究の意義について、具体的な事例を分析しながら、教育実習における模擬授業と批評会の質的向上ための導入について検討した。フィンランドとの共同研究の予備調査として、教職経験年数の違う日本の中学校理科の教師3名を対象に教師知識に関するアンケート調査と面接調査を行った。その結果、教職経験により保持する理科教授の方針が異なることなどが明らかとなった。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)
福岡教育大学紀要 59
ページ: 無
学校教育 1106
ページ: 12-17
The 10^<th> International Conference on Education Research
ページ: 531-540