研究課題/領域番号 |
20300260
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中山 迅 宮崎大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90237470)
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研究分担者 |
猿田 祐嗣 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (70178820)
松原 道男 金沢大学, 学校教育系, 教授 (80199843)
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (50315347)
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キーワード | 理科教科書 / TIMSS / 推論 / 論述式回答 / 記述内容 / 教育課程 |
研究概要 |
平成20年度は,小学校と中学校の理科教科書及びTIMSS2003課題を対象として分析を行った。具体的には,以下のようなことを行った。 1.教科書の記述分析 (1)小学校,中学校理科教科書から,生物分野を中心に,観察実験に関わる記述の分析を行った。その結果,体験活動の取り扱いについて日本独特なスタイルがあることが推察されるとともに,一連の思考・表現の論理展開に一貫性がない部分が一部見いだされた。 (2)小学校理科教科書の4年生と6年生の記述を「問題」「方法」「結果(事実)」「結論」に分けて,問題解決の流れを分析した。その結果,分析対象となった教科書の記述は必ずしも厳密に問題解決の流れに沿っているとは限らないことが示唆され,さらに別の学年と内容の分析を進める必要が示唆された。 2.TIMSS論述課題の回答分析 (1)TIMSS2003の生物領域の論述式課題を対象に,中学生の記述内容を自己組織化マップを用いて分析を行った。その結果,経験があるほうが科学的な説明ができるとは限らず,かえって日常生活の用語や日常生活の経験で説明を行い,正答でなくなることが考えられた (2)TIMSS2003の生物領域の論述式課題を対象に,小学生の回答を学習指導要領に基づく履修内容を基準とした再分類を試みた。その結果,誤答と判定されている回答も日本の教育課程に基づく科学的推論としては妥当な回答があることが示唆され,科学的思考という意味では,適切に習得されている可能性が示唆された。
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