研究課題/領域番号 |
20300268
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
金武 佳明 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (60404894)
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研究分担者 |
神谷 徳昭 会津大学, 総合数理科学センター, 教授 (90144691)
NIKOLAY Mirenkov 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (80254043)
木村 繁男 金沢大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70272953)
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キーワード | デジタル情報担体 / CLUSPI / クラスター情報担体 / 画像情報処理 / 表面情報伝達技術 / 情報伝達担体 / 人間/コンピューター・インターフェース / Eラーンニング |
研究概要 |
本年度においては、3年間の各担当分野での成果を統合し、e-Learningシステムの中でそれぞれが果たすべき役割、必要な要素技術、及び機能に再検討を加えながら研究を推進した。そのため、工学部1、2年生を対象としたe-Learningを目標として、流体力学、伝熱工学的現象のより直感的理解を助けるため、画像インターフェースGIFES (Graphical Interface Framework for Educational Support)を持つシステムの開発を行った。また、CSCL (Comuter-Supported Collaborative Learning)システムを用いたダイナミックなグループ学習についてさらに研究を推進した。さらに、平面座標とコンピュータ上の音声デジタルデータとのインターフェイス(スマートテーブル)を構築し、教育目的のためのゲーム、ダイナミックなグループ学習法への応用を検討した。 スマートテーブルとは、デジタル情報源とそれとの関連付けが為された平面、印刷物、物体上の面などから構成されるものである。これらの要素に基づくシステムの開発は、同時に重要な研究課題を提起した。すなわち、これまでの映像・音声によるプレゼンテーションでは、聴衆はみな一様にスクリーンに注目しなければならなかった。しかし、スマートテーブルの導入により、音声データの提供を個人レベルで選択できるシステムの構築が可能となる。このため、スマートテーブルは遍在的(ユビキュタス)な計算環境の構築へ道を開くことになると考えられる。すなわち、現在のように、一人が一台の独立したコンピュータを占有する環境から、スマートテーブルを介した相互コミュニケーションを重視する新たなシステムの構築が必要になる。このようなシステムは学校、家庭での教育環境を劇的に変化させる可能性を秘めている。この新たな概念によるシステムを応用して、学習のためのより効果的な仮想環境構築の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終目標は、学習者を囲む物理空間やそこに配置された物体等(Surface Based Interaction)を利用し、画像や映像処理(IIP)により、学習者のために仮想空間(Spatial Virtual Reality)を提供することである。この仮想空間は音響効果により、現実感を増し、学習者のさらなる意欲向上をもたらすe-learningシステムになることが期待される。このようなシステムの一例を最終年度中に完成させることが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
過去4年間実施した本研究の最後の年に当たって、今年度はこれまでに得られた個々の研究成果を総括した実験的なe-learningの枠組みを構築することを主なる目標とする。本研究で実験的に開発するe-learningシステムは、多様な専門分野を融合したTechnology Enhanced Learning (TEL)を具現化することを目指す。デジタル情報を搭載した物理的な形を有する面や物体の利用は、学習者により具体性を持った高いレベルの理解度Tangible TEL (FTEL)を提供することが期待できる。
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