研究概要 |
本研究の目的は,テレビ会議システムを用いる国際間同時双方向遠隔授業において国際間の集合知形成を教育目標とする異文化コミュニケーションの授業スタイルを提案することである.実時間で海外の大学と時空間を共有して,国際間同時双方向遠隔授業を行うことは,当初,それだけで異文化コミュニケーション教育として十分に衝撃的インパクトがあったが,今や,お互い顔を合わせ彼我の名前を名乗りあうだけで異文化に接して満足する授業スタイルから,より付加価値の高い異文化理解レベルへと一歩踏み出す必要があると考える. 2009年11月11日にオーストラリア・パースのEdith Cowan大学と北海道大学との間で,ブロードバンドネットワーク接続による実験を実施した.今回は英語をコミュニケーション言語としたため,Edith Cowan大学側は英語ネイティブのオーストラリア出身学生ではなく,非英語国からの留学生のクラスが参加した.この接続実験前後に2008年9月および2009年2月にそれぞれEdith Cowan大学を訪問し綿密な打ち合わせと今後の研究展開について合同会議を行った.また東京理科大学で開発した集合知形成装置の国際間同時双方向遠隔授業における実用に向け,2008年9月に早稲田大学・北海道大学・情報通信研究機構の間で同時に利用実験を行い,運用方法の検討とソフトウェアの使い勝手についてのブラッシュアップを行った.同時に国際間での使用を想定して,ソフトウェアに用いられている言語の英語化をはかるべく検討し,翻訳作業を行った.
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