平成20年度は、(1)授業改善支援、(2)リフレクションを核としたICT技術活用による研究方法の開発、(3)学校を基盤としたカリキュラム開発を可能とする学校学習システムの開発の3領域に渡り、研究を行った。 授業改善支援に関しては、平成20年度4月から平成21年度3月の1年間にわたって、埼玉県所沢市内の小学校の授業記録の収集を行った。それらの活動によって、収集された教室内における言語・非言語データを、カテゴリー分析および行動分析によって検討した。 リフレクションを核としたICT技術活用による研究方法の開発に関しては、この分野で先進的な取組みを行っているハワイ大学への海外調査を行った。具体的には、ハワイ大学で実施されているアクションリサーチによる教員養成の仕組みを視察し、ICT技術を介入させ、日本での導入の可能性に関して討議した。 学校を基盤としたカリキュラム開発を可能とする学校学習システムの開発に関しては、千葉県館山市の北条小学校の協力を得て、教師の活動記録の提出を求めた。当該小学校は、教師個人および集団での活動が盛んで、授業の計画から実践の反省に至るサイクルを学校全体で取り組んでいる学校といえる。そのため、当該学校には学校内に教員を育成システムが組み込まれているという観点から、提出された教師の活動記録(授業案、授業の反省、管理職とのかかわり)をデータ化し、対応分析等を用いながら、教員育成の要素を内包する学校学習システムを科学的に明らかにすることを試みた。 上記3領域の研究は、本年度の研究成果を基に、平成21年度も継続して実施していく予定である。
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