平成22年度は、いくつかの実験と調査を行った。(1)アバターとして使用するキャラクターに関する調査1(2)チャット画面の共有に関する実験(3)アノテーションの効果に関する実験(4)アバターとして使用するキャラクターに関する調査2(5)アバターを使用したチャット画面の共有に関する実験1(6)アバターを使用したチャット画面の共有に関する実験2(7)電子黒板とチャット画面の共有の合成による実験(8)視線測定の実験。 (1)(4)によって、電子黒板上に登場させる好感度が高いアニメキャラクターの描き方の特徴が分かった。(2)によって、単なる文字の共有における問題点を明らかにした。(3)によって、やはり、学生によるフリーなアノテーションの意味がないことや、それを技術的に実現することは効果が薄いと判断した。そのため、単なる文字による情報共有ではなく、授業中の意見、感想、質問などをアニメーションのアバターが代わりに発言するというシステムを構築した。そのシステムを利用して(5)の実験を行い。さらに、そこでのシステム評価結果を踏まえ、電子黒板システムと統合させた、学生の意見を共有する統合教室環境に拡張し、(7)の実験を実際の授業で実証実験を行った。その結果、システムは大変煩雑で大掛かりにはなったものの、実際にシームレスに、授業コンテンツと学生の授業中の書き込みが統合された授業環境が構築され、授業評価は高かった。また、来年度以降の評価実験にむけて、(8)を小規模環境で行い、様々な工夫によって教室内で測定への足掛かりとした。
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