研究課題
昨年度において上野寛永寺から出土した大奥の女性人骨報告書が完成している。本年度はその結果を査読のある雑誌に投稿することである。また、可能であれば研究成果を一般に公表することも予定としていた。前年度において明らかとなった大奥人骨の特徴としては、日本人の歴史において独特な位置づけがなされ、頭蓋骨は前の方ほど、下の方ほど華奢である傾向が明らかとなった。この特徴を江戸時代人骨の埋葬状況から推定された生前の身分、すなわち「町人」と「武家」、と比較したところ、「町人」と「大奥」および「大名」はまったく形状が異なり、「町人」では顔の外形が四角く、低顔で、低い鼻を持つ傾向にあることが明らかとなった。また、「武家」では「大奥」および「大名」と似た傾向を示しているが、「町人」と「大奥」および「大名」との中間的な形状であることが統計的に明らかとなった。この結果を論文として示した。また、これらの研究成果を一般にも還元する目的で、独立行政法人国立科学博物館の企画展「江戸人展」を平成25年4月9日から6月16日まで公開されている。企画展「江戸人展」は好評で、4月22日の段階で3万人を超える来場者にご覧頂いている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bulletin of the National Museum of Nature and Science, Series D
巻: 38 ページ: 39-49