研究概要 |
平成20年度に取り組んだ課題は主に3点ある。1点目はこれまで日本ではほとんど検討されてこなかった地域別の将来人口推計についてレビューを行った。諸外国および国内の諸研究・推計事例について整理・検討し、その成果を2008年度日本人口学会第2回東日本地域部会のテーマセッション「地域人口推計の現状と課題」において報告した。 2点目は人口データの整備ならびに人口関連指標の分析、将来人口推計モデルの検討である。人口データの整備に関しては国勢調査や人口動態統計の市町村領域の変更に伴うデータ組み替え作業を進めた。人口関連指標の分析については、新しい人口移動モデルの作成とそれを用いた分析結果を2008年度日本人口学会第1回東日本地域部会で報告した。また、我が国では本格的な検討がなされていなかった将来人口推計で用いられる複数の人口移動モデルについて実績データを利用した比較検討を行い、その成果を論文として公表した。 3点目は独自調査の実施である。調査の枠組みは次の通りである。調査対象者は沖縄県八重瀬町の6つの字に在住する20〜69歳(2008年10月1日現在)の結婚経験のある女性と、20〜39歳の未婚男女とし、調査方法は調査員の配布・回収による自計式、調査時期は2008年10月下旬から11月中旬とした。調査では対象地域の全1,838世帯のうち1,615世帯(87.9%)から協力が得られ、当該世帯における20〜69歳の結婚経験のある女性1,127人のうち968人(85.4%)、20〜39歳の未婚男女591人のうち455人(77.0%)から回答を得た。調査結果の入力、洗浄作業は既に終了した。現在、分析作業を進めている。
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