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2010 年度 実績報告書

化学イオン化質量分析法による大気中亜硝酸濃度の測定

研究課題

研究課題/領域番号 20310001
研究機関北海道大学

研究代表者

廣川 淳  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (20262115)

研究分担者 真船 文隆  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (50262142)
キーワード亜硝酸 / 質量分析法 / 化学イオン化 / イオン-分子反応 / 大気計測
研究概要

1.他成分による干渉効果の検討
SO_2Cl^-を試薬イオンとした化学イオン化質量分析法による亜硝酸濃度の測定に、硝酸、塩化水素をどの酸性気体成分が干渉効果を及ぼす可能性を、熱力学的および速度論的側面から検討した。まず、SO_2Cl^-と硝酸、塩化水素との反応により生成するClHNO_3^-イオン、ClHCl^-イオンのエネルギー的な安定性を量子化学計算より求めた。また、硝酸、塩化水素の双極子モーメント、分極率より、SO_2Cl^-とこれらの成分との反応速度定数を見積もった。得られた結果から、硝酸、塩化水素ともた大気中の濃度が10ppbv以下では亜硝酸の濃度測定を干渉しないと結論された。むしろSO_2Cl^-を試薬イオンとした化学イオン化法がこれらの成分の濃度測定にも応用可能であることが示された。
2.実大気測定
開発した化学イオン化質量分析計を用いて、札幌市の北海道大学キャンパスにおいて、冬季の都市大気中のHONO濃度測定を行った。HONO濃度は夜間、数100pptvから1ppbvの範囲にあったが、夜が明けるあたりがら増加し、交通ラッシュ時の7時から9時頃に2~3ppbvに達した。測定されたHONO濃度は、HONOと同時に、化学発光法で測定したNO濃度と良い相関を示したが、NO_2の濃度との相関はほとんど見られなかった。この結果は、都市大気中の亜硝酸の主要な発生源が自動車からの直接排出であり、NO_2の不均一反応による化学的生成の寄与は相対的に小さいことを示している。また、昼間の濃度の測定値は100~400pptvの範囲にあった。HONOは可視光で速やかに光解離するため、昼間の濃度は大変低い(数10pptv以下)ことが予想されたが、観測の結果はこの予想よりもかなり高く、昼間にこれまで認識されていないHONOの発生機構があることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A balloon sounding technique for measuring SO_2 plumes2010

    • 著者名/発表者名
      G.A.Morris, et al.
    • 雑誌名

      J.Atmos.Oceanic Technol.

      巻: 27 ページ: 1318-1330

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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