研究課題/領域番号 |
20310007
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北川 浩之 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00234245)
|
研究分担者 |
竹村 恵二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00201608)
|
キーワード | 炭素14年代 / 天池 / 湖沼堆積物 / UV観察 / LA-ICPMS / 編年 / 炭素循環 / 装置開発 |
研究概要 |
今年度は堆積物の加速器質量分析法による炭素14年代測定の精度を高めるために、海外研究者(アメリカ・カルホルニア大学)と連携して、試料調整法の再検討を重点的に行なった。国際比較研究FIRI(F及びH)、国際原子力機関IAEAの参照試料(C1〜C7)を用い炭素14年代測定結果の信頼性を評価した結果、完新世の試料に関しては0.2%(炭素14年代換算で16年)の再現性で年代測定が可能となった。また、試料に二次的に混入した炭素の除去に関して、試料の前処理の効率化を目指して陸上植物遺体からクラウドセルロースを抽出する方法を検討し、従来法と遜色なく試料調整が可能であることを確認した。この方法を用い、研究試料の年代測定試料の化学処理及び前処理を進めている。 堆積物から気候変動等の情報を高分解能に解読するために、UV及び可視光照射自動画像取得装置及びLA-ICPMS装置用の自動試料ステージの開発を行なった。シグマ光機製のステップモーター駆動の自動ステージとKEYNCE製のUV・可視光の観察装置を用いることで、堆積物の連続的に自動観察が可能となった。植物プランクトンや陸域植物遺体の相対的な濃度の情報が堆積物から解読できる可能性が明らかになった。今後、この方法を用い気候変動に伴う生態系の変化についての情報が得られるものと考えられる。上記と同様のメカニズムを応用した、LA-ICPMSの試料導入装置(チャンバー及び試料移動装置)の開発を行い、現在、堆積物の元素組成の変化を高時間分解能で解読する装置がほぼ実用段階になった。次年度以降の実際の試料の分析を行っていく準備が整った。
|