研究課題/領域番号 |
20310008
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松見 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (30209605)
|
研究分担者 |
中山 智喜 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (40377784)
|
キーワード | 二酸化炭素 / 気球計測 / 地球温暖化 / 赤外吸収 / 温室効果気体 / 気球センサ / 機器開発 / 高度分布 |
研究概要 |
気球搭載用の二酸化炭素計測装置の開発を行った。汎用小型センサメーカーである矢崎製作所と協力して行った。北海道にある名古屋大学太陽地球環境研究所の母子里観測所で気球に載せて測定試験を行った。母子里観測所での気球観測試験の結果を元に、計測器の問題点を抽出して装置の改良をおこなった。母子里観測所ではオゾンゾンデの経験があるので気球をあげることが容易であった。気球による二酸化炭素の測定高度の高度範囲は地上から10km程度を目指した。センサの原理が二酸化炭素の光吸収を測定するものであるから、高い高度になって大気の圧力が減少すると二酸化炭素の混合率が一定としても、絶対濃度が減少し、光吸収が減るので測定精度を保つのが難しい。高度10km程度であれば大気圧が地上の1/5程度になるだけなので、それほど混合率測定値(ppm)の精度が落ちない。実際に高度12km程度のまでのCO2の高度分布の計測に成功した。気球と測定装置の回収は難しく、また回収コストも装置コストを上回る可能性が大きいので、オゾンゾンデと同じように使い捨てで行った。水平移動して海に墜落するように放球した。観測データは無線で気球から送り、地上で受け取った。オゾンゾンデの場合と同じように気象ゾンデに併載して、その気象測定値の送信に二酸化炭素データを挿入して送った。また、母子里観測所にはブルカー社の100cmの鏡移動距離を持つ、極めて高分解能のフーリエ変換型赤外分光計があり、太陽光を光源にして、CO2の1.6μmの吸収の高分解能スペクトルを測定して、CO2のカラム濃度を測定することが可能である。ただし計測できるのは晴天の日の日中だけである。晴天の日に気球測定とフーリエ分光計の測定結果の比較を行なうことに成功し、計測器性能のチェックを行なうことができた。
|