研究概要 |
研究代表者は、海洋地球研究船「みらい」の平成20年度の北極海航海MR08-05(H20.8.10-10.10)に参加予定であったが,研究分担者の都合により参加することができなかった。このため予定していた試料採取を実施できなかったため,次年度の研究航海にむけて研究計画を再検討し申請を行った。その結果,平成21年度の申請課題「北極海における深層循環変動と地球温暖化の関連性解明に関する研究」が採択されたため,2009年9月の北極海研究調査MR09-03「北極海における総合観測航海」(H21.8.28-10.25)に向けて準備を進めてきた。さらに,次年度において実施する生物生産量の復元に重要な有機炭素含有量の分析のために,有機炭素分析装置を購入し,分析法の確立に取り組んだ。 研究分担者については,平成20年度の上記北極海航海に参加し,ピストンコアラーにより海底堆積物コア試料をチャクチ海ノースウィンドリッジの北部と南部の水深357m〜998mおいて計5本採取した。さらに,海水試料中に含まれる古細菌のバイオマーカー成分の抽出を実施した。海底コア試料については,現在,放射性炭素年代測定法に基づく高精度分析,バイオマーカーの分析に基づき古水温推定に取り組んでいる。調査概要については,3月に開催された海洋研究開発機構のブルーアースシンポジュウムで発表した(黒木ほか,2009;佐藤ほか,2009)。
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