研究課題/領域番号 |
20310013
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
新垣 雄光 琉球大学, 理学部, 准教授 (80343375)
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研究分担者 |
棚原 朗 国立大学法人琉球大学, 理学部, 准教授 (00217100)
伊藤 彰英 国立大学法人琉球大学, 教育学部, 教授 (60273265)
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キーワード | 大気エアロゾル / 沖縄 / 光化学反応 / 鉄 / ジカルボン酸 |
研究概要 |
研究2年目にあたる平成21年度は、平成20年度に開始した研究が軌道にのり、次のような研究成果が得られた。1)国立環境研究所辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーション(CHAAMS)において継続的に大気エアロゾルを採取した。また、アジア大陸との距離による影響を調べるために、久米島(那覇から西に100km)および南大東島(那覇から東に360km)でも辺戸岬にあるサンプラーと同型の装置を設置しエアロゾルの採取を継続的に行った。2)エアロゾルに含まれる水溶性の主陽イオンおよび主陰イオンは蒸留水を用いて抽出し、それぞれ偏光ゼーマン原子吸光光度計、ICP-MSおよび、イオンクロマトグラフィーを用いて分析を行った。非水溶性の金属成分については、混酸(硝酸、過塩素酸およびフッ酸)を用いて分解後、偏光ゼーマン原子吸光光度計およびIPC-MSを用いて分析した。3)金属成分については、蛍光エックス線による非破壊の分析法の検討も行った。4)市販の試薬を用いて、鉄とジカルボン酸錯イオンを酸性溶液中で合成した。コンピューターソフト(Visual Minteq)を用いてその溶液内におけるFe(III)-ジカルボン酸錯イオンの化学形態別濃度を算出し、溶液全体の吸光度から各Fe(III)-ジカルボン酸錯イオンのモル吸光係数の算出を行った。Fe(III)-ジカルボン酸錯イオンの光照射実験を行い、Fe(III)-ジカルボン酸錯イオン濃度の違いによるFe(II)生成の量子収率の変化を求めた。最終年度の平成22年度も大気エアロゾル採取を継続して行い、さらに含有化学成分の季節変動および濃度に影響する環境因子について、データを蓄積することにより詳細な検討を行う予定である。
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