船舶修繕ドックで採取した3種類の塗料廃棄物の有機溶媒抽出物は、発光細菌に対して強い阻害を示した。2005年から2010年に大阪湾の同一の港湾域や船舶修繕ドック周辺で経年的に採取した底質100試料の有機溶媒抽出物も同様に、発光細菌に対して阻害を示した。一方、塗料廃棄物と底質の抽出物はともに変異原性を示さなかった。港湾底質の毒性を評価し、残留する化学物質を明らかにすることにより、船舶運行や臨海地における海事活動の環境管理に資することを目的とした。汚染物質として、船底防汚剤および船舶ディーゼル排ガス由来粒子状物質(SDEP)に吸着する多環芳香族炭化水素(PAH)に着目し、以下の2課題に取り組んだ。 (1)港湾底質等の毒性評価 (2)底質に残留する有害化学物質
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