研究課題
フッ素樹脂の熱分解により各種のフッ素化合物が生成することを明らかとしたが、その中で分子量の大きいフッ素テロマーに相当する物質は、白色固形物として出現しこれらの物質は生物蓄積がありそうにないと推定した。低分子量のフッ素化炭化水素類が熱分解物として確認されたが、有毒なパーフルオロイソブテンは分解性が高く、環境中の残留は認められなかった。テフロン等の熱分解で生成したと推定される物質とし、またそれ自体の使用による結果としてPFOAは環境中に認められた。特に下水系の水の中に多く認められた。PFOAは水系汚染物質として位置づけられ、PFOSと共に海域での過去の東京湾サンプリング試料の分析について評価した。PFOAとPFOSは水域環境で類似した存在パターンを示し、水にほぼ均一にpptレベルで分布し河川からの水とともに流入していること。そして、底質への吸着濃縮は疎水性物質として余り大きくないこと。また県内の河川水準と比較した時パーフルオロ酸同族体の中で、PFOSやPFOAから低炭素数のパーフルオロ体へと組成が変化しつつあることが明らかとなった。またPFOA及び化審法第一種特化物として指定されたPFOSについては公定法として、より簡便なLC/MS法を用いた方法として検定評価を行ない、環境省の公定法として使用可能との報告を行ない分析マニュアルに記載する方向となり、その面での貢献も果たした。
すべて 2010
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Environmental Science and Technology
巻: 44 ページ: 4110-4115