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2010 年度 実績報告書

マルチトレーサーを用いた河口域生態系における流域環境影響の評価手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20310021
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

野原 精一  独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, 室長 (60180767)

研究分担者 広木 幹也  独立行政法人国立環境研究所, 生物圏環境研究領域, 主任研究員 (40142103)
井上 智美  独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, 研究員 (80435578)
キーワード河口干潟 / 植生 / 海岸植物群落 / 満潮時冠水型 / 塩性湿地 / 土砂供給
研究概要

鈴鹿川、田中川、櫛田川、宮川の河口植生調査を2010年に行い河川環境と植生の形成要因について明らかにした。【鈴鹿川】シナダレスズメガヤ、コウボウムギ、チガヤ、オオオナモミの各群落が砂地に分布し、ヨシ、ハママツナ群落等が砂泥地に分布した。陸生・外来植物群落は全体の70%以上の面積率を占め、シナダレスズメガヤ群落は全体の60%以上と最も高かった。河口干潟は満潮時に冠水しにくい砂地が大部分を占め、外来のシナダレスズメガヤ、オオオナモミが群生し、現在は良好な環境ではなかった。【田中川】海岸植物群落が砂地に広範囲に分布し、ヨシ群落が泥地、ハママツナ群落が砂泥地を中心に分布した。満潮時冠水型のヨシ群落が45.2%、海岸植物群落が43.2%と全体の9G%近くを占めた。満潮時に冠水し、土砂堆積・浸食の影響を受けやすい立地に群生するハママツナ群落等、受けにくい立地に群生するヨシ群落、砂地における海岸植物群落に分かれ、外来植物が少なく、良好な環境であった。【櫛田川】アイアシ、ヨシ、ハマボウの各群落が砂地に分布し、ハママツナ、ハマヨモギ、ナガミノオニシバの各群落が砂泥地に分布していた。各植物群落及び植生タイプの面積率をみると、満潮時非冠水型のアイアシ群落が50%と全体の半分を占めた。一年生植物であるハママツナ、ハマヨモギが群生する撹乱を受けやすい環境と、アイアシ群落の塩性湿地植物群落、海岸植物群落などの冠水を受けにくい安定した環境がある。【宮川】ハママツナ-ハマヨモギ群落、ヨシ群落が砂泥地及び砂礫地に分布し、セイタカアワダチソウ、シナダレスズメガヤ群落が砂地に分布していた満潮時冠水型は、ハママツナーハマヨモギ群落の41.1%、ヨシ群落の31.4%と、全体の70%以上の面積率を占めた。全体の70%以上が一年生塩性湿地植物群落を形成し、上流からの土砂供給による撹乱を受けやすいと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Contrast of nitrogen around roots of mangrove plants.2011

    • 著者名/発表者名
      Inoue T., Nohara S., Takagi H., Anzai Y.
    • 雑誌名

      Plant and Soil

      巻: 339(1/2) ページ: 471-483

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 湿原生態系の窒素汚染2010

    • 著者名/発表者名
      野原精一
    • 雑誌名

      地球環境

      巻: 15(2) ページ: 153-160

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 直近の新規温泉掘削が既存温泉に与える地球化学的影響2010

    • 著者名/発表者名
      森康則, 吉村英基, 前田明, 志村恭子, 大熊和行, 小川正彦, 橋爪清, 野原精一, 近藤雅秋, 加治佐隆光
    • 雑誌名

      温泉科学

      巻: 60 ページ: 22-36

    • 査読あり
  • [学会発表] 釧路湿原の窒素負荷と湧水の重要性2010

    • 著者名/発表者名
      野原精一, 広木幹也, 井上智美
    • 学会等名
      日本陸水学会第75回大会
    • 発表場所
      弘前大学(青森県)
    • 年月日
      2010-09-19

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公開日: 2012-07-19  

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