研究課題
本研究の目的は、(1)ビスフェノール曝露した若齢のカニクイザル脳の解析により、次世代オスの性同一性障害に類似した行動異常の発生メカニズムを明らかにすること。(2)母体にメチマゾールを曝露したカニクイザル胎仔脳を解析することにより脳発達障害の機序とその影響評価を行うことである。(1)BPA投与実験群:パラフィン包埋組織切片からのRNA抽出し、ターゲットタンパク質候補の1つである、N-ethylmaleimide sensitive fusion proteinについて、免疫組織学的染色では対照群およびBPA投与群の雌雄で差がみられなかった。組織学的解析の代わりに視床下部のパラフィン包埋切片を用いてRTPCRによるmRNAの検出を行ったが、有意な差はなかった。妊娠ステージの異なるオス胎児の精巣発達を組織学的に検索した。(2)メチマゾール投与実験群:新たにメチマゾール投与実験群のサンプルを調製した.具体的には、甲状腺ホルモンによる影響を形態学的に最も受けたステージである、胎齢130日から150日まで毎日メチマゾールを母体に投与後、帝王切開し、胎仔を摘出した。また、対照群として同様の期間生理食塩水を投与した母体からの胎仔を用いた。胎仔脳の半球を組織学的解析用に、もう一方の半球を分子生物学的解析に用いた。メチマゾール投与は甲状腺肥大には明瞭な影響を与えたが、神経発達には個体差が大きく、有意な差は見られなかったので、新規に胎児の追加実験を行い個体数を増やし解析した。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
Brain Medical
巻: 21 ページ: 139-147
Jpn.J.Zoo.Wildl.Med.
巻: 14 ページ: 7-18
Psychoneuroendocrinology
巻: 34 ページ: 1189-1197