研究課題/領域番号 |
20310036
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伏木 信次 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (80150572)
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研究分担者 |
伊東 恭子 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (80243301)
矢追 毅 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40311914)
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キーワード | 内分泌かく乱物質 / ビスフェノールA / エピジェネティックス |
研究概要 |
ゲノムワイドでメチル化パターンを解析し得るRestriction Landmark Genomic Scanning (RLGS)法を適用してBPA曝露影響を解析した。BPA曝露群と対照群のそれぞれ異なる胎齢(12.5日、14.5日、16.5日)のマウス前脳からゲノムDNAを抽出しRLGS法に供した。対応するスポットの濃度を比較し、BPA曝露群と対照群間で変化のあるものを抽出した。その結果、総計2500スポットのうちBPA曝露群と対照群間で変動したスポットは55個(2.2%)で、うち19個(0.8%)、13個(0.5%)および7個(0.3%)が各胎齢においてBPA曝露影響としての変動を示した。残る16個(0.6%)は複数日で変動した。BPA曝露により変動した全スポット中37個は本来発生段階特異的変動を示すスポットであった。発生段階特異的変動を示すスポットは総計75個存在したので、BPA曝露は発生段階特異的な遺伝子を高率に標的とする可能性が示された。また、スポットに対応するゲノム配列を調べた13個のうち12個が遺伝子転写開始点周囲に位置するCGIに位置していた。 更に、胎仔肝においても同様の探索を行い、BPA曝露が発生段階特異的な遺伝子を高率に標的としてメチル化状態の変動を引き起こすことが示唆された。全2500スポット中、両群間で変動したスポットは56個(2.2%)で、うち8個(0.3%)、4個(0.2%)および11個(0.4%)が各胎齢においてBPA曝露による影響としての変動を示した。残る33個(1.3%)は複数日で変動した。ほとんどの標的部位が胎仔脳と異なるものの、その数はほぼ同数であった。BPA曝露により変動したスポットの中で34個は本来発生段階特異的に変動するスポットであり、発生段階特異的変動を示すスポットの総計と一致した。
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