研究概要 |
本研究では,プラズマによる廃棄物処理の優位性(大量処理が可能,起動停止が簡単)を活用し,固体、液体、気体それぞれの廃棄物に対応した新しいポータブル型廃棄物処理システムを開発することを目的とした。特に、大気圧下の直流放電によって水のみを用いたプラズマ発生システムを開発し、高温の水プラズマの物理化学的特色の解明と、水プラズマによる廃棄物処理という場で起こっている高温電離場中の反応機構を解明することを本年度の目的とした。 水プラズマを大気圧下の直流放電によって発生することに注目し、廃棄物処理に実際に適用できる長時間の安定な放電を可能とするシステムを作り上げた。学術的に重要な点として、水プラズマの温度を分光的に計測し、その温度分布をもとに,プラズマによる廃棄物処理という場で起こっている高温電離場中の反応機構を解明した。 廃棄物処理への応用という点では、処理する物質の形態によってシステムが異なり、その分解挙動も違ったものになるので、ポータブル型処理システムとして本年度は気体としてはHFC,PFCの分解,液体としてはフェノール水溶液の分解を行い,それぞれの分解効率,分解に必要なエネルギーの推算を行い,水プラズマ中での分解機構を解明した。
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